somedarappa「アニメーション が 願いを乗せて」
shibuya slow stream vo.18-25 のデザインを担ったsomedarappa(サムダラッパ)さん。キービジュアルならぬキーモーションとして、文字通りに鍵となるキャラクターやアニメーションの数々を生み出し続けました。「鍵となる」ということは、何かをひらいていくということでもあります。2024年から2026年にわたる2年間の制作裏話をふりかえりつつ、デザイン・プロジェクト・都市、それぞれのより良い関係についても考察していきました。
somedarappa
フリーランスアーティスト・デザイナー
2024年武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業。インターネットやカートゥーンアニメから影響を受けたポップな生き物と世界を生み出している。ナカガワシンノスケという名で映像作家としても活動。
web:https://www.somedarappa.com/
IG:somedarappa
左からsomedarappa、熊井晃史(shibuya good stream及び、そのコンセプトイベントshibuya slow streamのディレクターを務める)、丹野暁江(東急株式会社)
テーブルにこれまでのチラシを並べて、その創作を眺めながらこれまでを振り返っていきました
2年間の創作の全貌
開催毎のテーマごとに制作された全キーモーション(shibuya slow stream vo.18-25)
催毎のテーマごとに制作された全チラシ(shibuya slow stream vo.18-25)
shibuya slow streamの会場となる渋谷ストリームの大階段にもモーションが流れました
somedarappaさん作成のモーションは、Instagramでも登場させることができます(somedarappaで検索すると、使いたいモーションを選ぶことができます)
手から離れていく喜び
熊井:こうやって並べてみると壮観ですね。キーモーションと言いつつ、それだけではなくって、チラシやSNSなど様々なメディアを舞台にクリエーションを重ねていった2年間だったと思うんですね。そのなかでも、実際に街なかの大階段で、自分がつくったアニメーションが流れるというのは、作り手として珍しい体験だったと思うんです。どういう感覚で受けとめていました?
some:大きい場所で流せるということがすごい嬉しい気持ちになったんですけど、それよりも、いろんな人たちが勝手に見てくれる状況が意図しないところでたくさん生まれていて… 。たとえば観光客の人が景色いいなって思って撮影した写真にたまたま写ってるみたいな、そういう写り込んじゃっているというのも、なんか面白いな嬉しいなってすごい思ってました。
熊井:この2年間というか、もっとその手前の時期からいろんな議論をしてきたので、somedarappaさんのその喜びの感覚というものの独特さを認識しているんですね。それってつまり、意図せずとも、他の誰かのスマホのなかで、もっと言ってしまえば心のなかで自分の生み出したキャラクターが生きてくれているという感覚になるっていうことだったと思うんです。
some:はい。自分が思いを込めてつくったものではあるけど、自分の手から離れていってみんなのものになっていくみたいなことが、自分のやりたいことなのかもなって思ってやっているようなところがあります。
熊井:キャラクターが命を宿して、作り手のその手から離れて放たれていく。そのことも、いろいろと考えていきたいのですし、その「思い」というところも振り返っていきたいところです。
some:このキャラクターなんですけど…。
丹野:ドジョウ丸〜!
some:あはははは、龍だったんですけど〜!
熊井:渋谷川のほとりのビオトープに暮らしているドジョウのことを丹野さんは、ドジョウ丸って呼んでいるんで!
丹野:そうそう。ごめんなさい、勝手に考えちゃって。
some:オレ、そういうのが嬉しいんですね。えっと、slow streamに来てくれた方の息子さんが家でこのキャラクターを模した漫画を描いていたそうなんですね。彼のオリジナルキャラクターになってて、それに「うちゅう君」という名前をつけていたそうなんです。それだけでも嬉しいんですが、さらに嬉しいのが、このチラシのビジュアルで見てたから、からだが長いものだと見ていなくて、丸に手が生えてるものだとして描いてくれていたんです。
熊井:その人の気持ちが乗っかる誤解が嬉しい。
some:そうなんですよね。誤解ってある意味オリジナリティのある遊びだと思っています。自分の作ったものだけど、それが自分のものではなくなって、みんなが遊んでくれるものになってくれると嬉しいんです。
うちゅう君
somedarappaさん作成の靴下を身につけている丹野さん
ゾウができることで一番楽しいことを探してあげたい
熊井:込めた思いでいうと、今、思いつくものではどのようなものがあったでしょうか?
some:なんか、ゾウができることで一番楽しいことを探してあげようって。
丹野:うんうん。
some:つくってみたんですけど、空飛ぶゾウのビジュアルもすごいかっこよかったんです。 飛ばなさそうなものが飛んでるから、多分感動するんだなみたいなのがあって、でもなんかここまで長いことやらせてもらってきたなかで、そういった形でギャップが大きいものを作ってきてたような気がしてたんです。そうじゃなくて、ゾウが一番気持ちよさそうに泳いでる様子にしたいなって…。
熊井:vol.25「す〜いすい」のときですね。ステートメントは、「泳がせておく、そのままにしておく、自由にしておく。す〜いすいと、心の向くまま、足の向くまま、想うまま。自分を、周りを、見守っている。良い都市には、気持ちや場所の余白があるように思います」というものでした。ただ、口で「ゾウが気持ちよく泳ぐ」といっても、それを動きとして表現するのはとても大変でしたよね。ぜんぜん気持ちよさそうに見えない。
some:はい。渋谷川の流れに身を委ねて気持ちよさそうに泳いでいるというか浮かんでいるようにしたかったんですけど、最初に見せたときに熊井さんから「死んじゃってるって!」って…。そこから、目や身体、水の動きだったり、周りを泳いでいるカモの親子とのとの関わり方だったり、ジュースを飲んでもらったり、いろいろと検証していって、「ああ、生きてるね!」ってなりました。
熊井:ちょっと風呂敷を広げた言い方になっちゃうんですが、このslow streamでは、良い都市とは何か?という問いを掲げているわけですけど、それって、良い社会とは何か?というものにもつながっていくんですよね。そのなかで、委ね委ねられ、託し託される関係の重要性というものも繰り返しレポート等の記事でも語ってきたんですよね。そもそも、都市に身を委ねることが出来ているのであろうか?っていうような、そういった哲学のようなものを磨いていくプロセスでもあったんですよね、この一連のキーモーション制作が。
丹野:うんうん。
熊井:見た目ではそんなに分からないとしても、動いているもの同士のダイナミズムみたいなものがそこにないと、全然生き生きしてこない。つまり身を委ねっぱなしでもダメなんだなというか…。状況を、都市を、生き生きしたものにしたいというこのプロジェクトとしては、そういうコンセプト理解を深めていく機会でもありました。
some:毎回、ディレクションとしてのデザイン修正というのもあるんですが、そういう哲学みたいな話をずっとしていました。
熊井:哲学って言うとかっこいいけど、フレーズとしては完全に野生動物の保護区のレンジャーさんみたいなもんで、「楽しそうにしてる!」「元気なさそう!」「幸せそう!」とか、そんなことばっかり話してましたね。
最初は空を飛んでいたゾウ
全体構想に向けたラフスケッチ
ゾウが渋谷川で生き生きと「す〜いすい」するための試作
vol.25「す〜いすい」のキーモーション
託しあいのフックアップ
熊井:委ね委ねられ、託し託される。それっていろんな言い換えがあって、たとえばフックアップということにもなってくるんですね。somedarappaさんが、このslow streamの仕事を始めた時って何歳でしたっけ?
some:21歳っすね。
熊井:別に年齢のことをそんなに考えていたわけじゃないんですけど、今思うと、やっぱり若い…。
some:すよね。
熊井:ここGAKUでVJイベントがやられていたときに、とても輝いた作品を見て「これつくったのは誰?」とか言って教えてもらって出会ってっていう…。え、出会ったときは大学生でしたっけ?
some:大学3年ですね。
熊井:そこから自分がやってているギャラリーで個展をやってもらったりして…。
some:個展が大学4年ですね。
熊井:その後、卒業して、slow streamのデザイナーに就任という。
some:フックアップでした完全に。あざす。その間に、「渋谷に、ヌシは可能か?」のクリエイティブがありましたね!
熊井:そうでした…。自分が教育の仕事をしているからというのもあるんですが、良い都市っていうのは、ストレートに言うと人が育つ場所だと思うんですよ。 ただ、今その機能を失いつつあるっていうのが課題意識で…。ストリートっていうのは、人が勝手に育つ場所だと思うんですね。一方で、そういうストリートを生み出していた誰かの功績は当然あるんですが、そのストリートというものが形を変えている現在においては、フックアップの重要性って増しているように思うんですよね。先に名を上げていたいた人が、まだ無名の後輩を見出して、楽曲やステージに起用するっていうヒップホップの領域に良く見られることなんですけど、それって、ヒップホップに限らず重要ですよね。
丹野:発注向上が世直しってやつですね。発注向上委員会(若林恵「発注を考える 未来の奴隷にならないために」を参照)。
熊井:ほんとそうなんです。活発な文化領域って必ずそういうことがある。
some:ほんとうにそう思います。
丹野:ストリートもそうだけど、昔は、表現をする場がいっぱいあったんだと思うんだよね。 それは多分、そのときの大人がどうにかしてくれていたんだと思うけど…。そういう場が社会の前提として必要で、それがないと価値が生まれないってわかってる人が多かったんじゃないかな。だから会社の予算の立て方もそうだし、どういう人をどういう風に配置するかっていう体制の組み方もそうだし、そういうのをグイって引っ張る人がいたんだと思うんだよね。今は、都市の競争力向上って言ったり、創造都市を目指すって言ったり、いろいろとこのままだとまずいぞってなっているけど、ほんとうはそういうところなんですよね。
熊井:そのほんとうのところの議論と実践をしていきたんですよね。
丹野:そうだと思うな。 だってこうやって才能あふれる若者はいっぱいいるんだもんね。
取材ロケーションは、渋谷パルコ9階に教室を構えるスクール「GAKU」。somedarappaさんとの出会いの場でもあります
somedarappaさんのキャラクターは、丹野さんのスマホケースにも
お前にフックアップされたくないと言われないために
熊井:フックアップの話で言うと、フックアップする側が、フックアップって大事だよねみたいな話を声を大にして言いづらい気持ちはあるにはあって…。というのも、フックアップをしたいから起用しているわけじゃなくて、純粋に、あなたの作品が素晴らしいからプロジェクトに加わって欲しいというのがまずあるんで、フックアップを強調すると、そこの純粋さが濁りそうで怖い。
丹野:うん。最初からクリエーションがほんとうに良かった。vol.18「好運」が最初ですよね。すごい想像を越えてきた。めっちゃ深い!ってなった。
熊井:あのキーモーションが、プロジェクトのあり方を切り拓いてくれましたよね。
some:嬉しいっす。
熊井:フックアップのことでさらに言うと、フックアップされる側のスタンスとして、「お前にフックアップされても嬉しくねえ」っていうのがあるじゃないですか。「フックアップされたとしても、そのステージには立ちたくねえ」っていう。
some:あるっすね。
熊井:そこも自分としては、非常に重要で…。そっちにはそういうスタンスを持ってもらいたいし、こっちとしても「お前にフックアップされたくない」とかって言われないために、頑張って良い場にしておかないとなって思うわけです。というかまあ、かつての自分に顔向けできる場であり続ける努力をしているという感じなんだけども、おそらく、そこのところの必要性も今あまり社会で認識されていない。
丹野:「お前にフックアップされたくない」とかって言われないための努力、大事。
熊井:ですよね。フックアップした先が喜んで出てくれるステージにしておきたい。これって、somedarappaさんのクリエーションが、野生動物の保護区のレンジャーさんのようだっていう話と似ていて、つまり、生み出したキャラクターが生き生きとしている状況にしておかないと、そのキャラクターに申し訳ないっていうことと、フックアップした先の人がのびのびできる状況にしておかないと申し訳ないっていう話がほぼ一緒っていう。
丹野:うんうん。
somedarappaさんがslow streamで最初に手掛けたキーモーション
ありたい未来を先取りするクリエイティブ
some:オレら人間よりも、オレが作ったものたちの方がなんかピュアで…。
丹野:うん、そう!
some:だから、作ったものたちから見本を見せてもらうって感じに途中からなっていきました。
熊井:キャラクターが、自分たちのお手本になってくれる…。
丹野:素晴らしい。動物とか植物とかそういうものが好きなのは、本来の人間の持ってる本能じゃないですか。 そこを呼び覚ますというか、なんか人間らしさを取り戻してほしいみたいな気持ちで活動しているじゃないですか、うちらって。それが「良い都市とは何か?」っていう掲げている問いでもあると思うんですけど、こうあるべきっていう答えはないかもしれないけど、それを探る旅じゃん。川の存在にちゃんと意識をむけるとか、考えるためのフックはつくっていけるじゃないですか。somedarappaくんのクリエーションもそこに辿り着いたってことですよね。わたしが猫と一緒に住んでいるのも、同じようなことで、美しいからっていうのもあるんだけど、動物が教えてくれるというか、軸を真ん中にしてくれるんだよね。
熊井:そうですね。川が教えてくれる、風が教えてくれる、山が、海が、土がって….、まあ、いろいろですけど、人って、人以外の存在から学ぶみたいな回路がないとドン詰まるんじゃないかなっていう思いはあります。それに、本当は、今を生きている我々が、そうやっていろんな存在に教わって生き生きとしないといけないんですよね。
丹野:うん。
熊井:そう辿り着いたsomedarappaさんですが、実は、その過程の中では、拗ねてる時期もあったんですよ。
丹野:え、そうなの?
熊井:「僕のクリエイティブとslow streamの現場が合ってないんじゃないか」って、悶々としている時期もありました。
some:はい。現場とのズレがあるように感じてて、自分じゃないほうが良いんじゃないかって思っていた時期がありました。
熊井:いろんなミュージシャンにもステッカー欲しいとか言われているのにですよ。
丹野:えー。
熊井:そのときに改めて思ったんですけど、仕事において、好きだからやるっていうのと、好きになるためにやるっていうのがあるんですね。slow streamは、渋谷を、あそこを、好きになるために頑張るっていうのが正直なところで…。それで、ちゃんと見ようとすれば、渋谷川が再生されていたり、地域の歴史の継承が意図されていたり、文化にリスペクトを持った建築が成されていたりと、いろいろとポイントが見えてくる。だから、そのポイントを育んで伸ばしていった先のありたい未来を描くことが大事だなと思うんですね。つまり必ずしも、クリエイティブが今の現場と合う必要はなくって、むしろ、ありたい未来との焦点が合っている方が望ましい。それって、つまりクリエイティブに願いや思いを込めるということなんですよね。素直な言い方しちゃえば、夢や希望っていうことなんですけど。
丹野:込められてるぅ。
熊井:現場と合っているかどうかよりも、願いが込められているかどうかのほうが大事。
some:最初からそういう話はしてもらってたんですけど、やっぱり2年間やらせてもらって腑に落ちるものがあって、だから、最後にゾウを泳がすことができた感じがします。
熊井:ゾウのモーションが、2年間の集大成の現れだったんですかね?
vol.24 「はな歌交じり」のキーモーション
ゾウに元気で居て欲しいという気持ち
some:ゾウをやった時になんか今までよりしっくりきたものがなんかあって…。slow streamの全部にしっくりくるのがゾウで、重量感なのかわかんないけど、とにかく心の安心感が生まれて、ゾウを大事にしたくなったんですよね。ゾウはスローだし、群れで動くし…。slow streamも家族連れの人も来てくれるじゃないですか。
丹野:うんうん。
some:いろんな生きものたちをつくってきましたけど、その生きものたちの中心になるイメージがゾウにできたんですよね。動物が出てくるアニメを観ていても、ゾウってそうじゃないですか。これはちょっと言いすぎかも知れないですけど、大きいものに集まるっていうことでは、都市のでっかいビルみたいに見えてくるし。
熊井:大きな木の木陰に集まるみたいにして、ゾウに生きものたちが集まる。そして、そのような存在にでっかいビルがなって欲しい。
some:そうです。ゾウが元気なかったら、周りは多分心配するけど、元気だったら多分みんなも心配なく自由に動けるような気がしてて。だから、ゾウを元気にしようプロジェクトが始まりました!
熊井:ゾウを元気にしようプロジェクト!それがイコール、都市を元気にしようということでもあるし、でっかいビルに頑張ってもらいたいという話でもあるという。すごいメッセージになってきましたね。
丹野:でも、ほんとそうだよね。それだけの責任があるんだよね。ゾウさんって大きいし、強くて優しい。都市もそうありたいし、それを目指したい。
vol.24 「はな歌交じり」のキーモーションでゾウのはな歌が都市に溢れていくようなモーションが大階段に流れました
自由にしているやつらから力をもらう
熊井:2年間の集大成としてのゾウの話が多かったのですが、ゾウ以外にもいろんなキャラクターが生まれていますよね。毎回のテーマに紐づいたコンセプトというのは話すとキリが無くなると思うので、全てに共通してくる制作スタンスというものはありました?
some:絶対に核として置いていたのは、彼らが何を考えててもよいっていうこと。
熊井:キャラクターがその世界で何を考えてもよい。
some:はい。
熊井:ほんとうに発言が、野生動物の保護区のレンジャーさんというか、飼育さんというか…。
some:彼が蝶々を見てるのが楽しいなって思ってたり、逆に蝶々たちが飛ぶの楽しいなって思ってたり、それぞれが何を考えててもよいし、それが面白いだろうなっていうことを結構意識してました。
熊井:創造主。
丹野:クリエイター。そういえば、わたし最初のvol.18「好運」のキーモーションに衝撃を受けて、社内で説明していくときに、すごい力入ったんですよね。
熊井:somedarappaさんのクリエーションに力をもらえた。
丹野:そう。
熊井:クリエーションに、息を吹き込まれて力が出るって、やっぱりあるんですよね。
some:うれしいっす。
熊井:しかも、そのキャラクターが別にこちらを勇気づけようとしているわけではなくって、勝手気ままに自由に生きている。むしろだからこそ、インスピレーションをもらえるという。
丹野:ほんとうにそういうことだと思います。
熊井:クライアントとクリエイターとの良い関係のあり方のひとつであるように思います。
some:うれしいっす。
熊井:アニメーション「に」願いを乗せるでもあるんですが、アニメーション「が」願いを乗せて自由に動いていたという印象もあって…。それって、家畜化される前の動物との関係を彷彿とさせるんですよね。
丹野:わかります。人間もそっち側にいけるってことでもあると思います。
somedarappaさんがslow streamの会場で踊っている様子
「躍動体」のモニターで流したモーション動画
モニターを運び込んでモーションを流して会場装飾を行ったことも
都市も、デザイナーも、いのちときもちを扱う
熊井:クリエイティブの領域でも、生成AIの活用は広がっていく中で、ある意味「創る」ということの敷居がこれまで以上に下がっていっていると思うんですよね。そうしたときに、より良く創れたか?という問いが、どこかでより良く生きれたか?という問いに重なっていかないと、創るという行為がとても淋しいものになってしまう気がするんです。それで言うと、somedarappaさんはデザインして終わりではなくて、slow streamの現場も見届け続けていた。それって、生み出したものをそのままにしないということとほとんど同じだと思うんです。
some:はい。
熊井:実施してお終いにしないイベント。作っておしまいにしないビル。生み出しておしまいにしないキャラクター。それって、つまり、みんなで育てていくということの回復じゃないですか。やっぱり、デザイナーも都市も、いのちやきもちを扱っているんですよね。そういう根源的なところを考える機会にめっちゃなったなと思っています。
丹野:うんうん。
熊井:slow streamの会期中に大階段のサイネージでは、引き続きキャラクターが動くことになっていますし、まだまだ彼らが生き生きとしていく世界をつくっていきたいですよね。
some:漫画書きたいっす!
丹野:お、いいじゃん!
熊井:どんどん切り拓いていきましょうよ。
some:おっす!
- 企画執筆
熊井晃史
- 撮影
菊池香帆(インタビュー)、立山大貴(shibuya slow stream)
- ロケーション
GAKU
- 校正
丹野暁江、吉田七海統、菊池香帆