01
02
03
04
05
06
07

shibuya slow stream vol.25「す〜いすい」ふりかえり考察トーク

イベントを実施して、おしまい。それは、「ビルを作っておしまい」の街づくりとどこか似てきます。shibuya slow streamは、そうであってはなりません。企画や準備に心を費やして迎えつつ、その成果をどうやって積み重ねていけるか!?というところが大事なはず。というわけで、心に留めておいたり、次に活かしていくための手応えや感触って何だったの!?それを一同でふりかえって考察していく時間も大切にしています。ここでは、その一部を当日の様子とともにご紹介します。

今回のテーマ:「す〜いすい」

良い都市とは、どのようなものか。泳がせておく、そのままにしておく、自由にしておく。す〜いすいと、心の向くまま、足の向くまま、想うまま。自分を、周りを、見守っている。良い都市には、気持ちや場所の余白があるように思います。

詩人がつくった野鳥という言葉と習慣

渋谷川って、カルガモが訪れているじゃないですか。

-羽を休めたりもしていますけど、餌を探しているようでもありますよね。水草や藻も食べるみたいですよ。あと、昆虫、貝、小魚も!

カルガモにとっても居心地が良くなったらいいなあ。

-なんか、野鳥を都市で見ると不思議な気分になるというか、嬉しいですよね。

めちゃくちゃ嬉しいです。ちなみに「野鳥」という言葉って、詩人の中西悟堂という人が生み出した言葉でして…。彼は、詩人であると同時に野鳥研究家で、昭和9年に「日本野鳥の会」を創立されています。

-詩人の言葉!

そもそも、それまで野鳥という言葉もそうですが、野鳥を観察するという習慣もなかったそうで、野にいる鳥は基本的には捕まえて食べるか、籠に入れて鳴かせて声を楽しむかというものだったそうです。野の鳥をありのままの姿を愛でるという文化そのものをつくったとも言えます。

-「ありのまま」を愛でる。

食べるか、歌わせるか以外の関係の結び方がなかったわけですよね。

-んー、って考えるとスゴい話ですね。人と鳥や自然との新しい関係をつくったと言えるし、社会を動かしたとも言えますよね。

この取り組みもそうありたいなって願いながら、渋谷川のほとりのビオトープづくりを推進したり、清掃活動をしたりしているわけですけども、streamって潮流という意味もあるんで、good stream(良い潮流)の源流になれたらなって、ホント思います。

somedarappaによるグラフィックがそこかしこに

川口貴大によるパフォーマンス

アルミホイルが川のように広がり風を受けて音が鳴ります

みんなで風景をつくるのは楽しい

文明のアフターケア

で、その野鳥という言葉を生み出した中西悟堂について色々と調べていると、都市デザインというものに関与しているということも分かってきたんですね。

-野鳥と都市デザイン。

です、です。小林照幸による「評伝・中西悟堂 野の鳥は野に」にあたってみると、引用されている中西の言葉に目が止まってページをめくる手が進まなくなるんです。例えば「文明にはアフターケアが必要である」「自然を保護することは、結局、人間を保護することだ」「自然を滅ぼすところに福祉はない」と。

-わあ。

詩人として、言葉に力強さがありますよね。新たに生み出した「野鳥」という言葉を裏打ちしている一節も紹介されていて、いわく「鳥は空間生活者であり、渡り鳥は地球規模生活者である。従って鳥のすみかは日本中の山林、原野、水辺である。そういう鳥たちを自然のままで守ることは、とりもなおさず日本の山河を守ることでもある。鳥は野にあるべき。野の鳥は野に。鳥とは野鳥であるべし」だそうです。

-わあ。

わあ、ですよねえ。中西の社会に対するはたらきかけは広範囲に及んでいて、「東京オリンピックであれだけのことが出来たのだから、出来ないわけがない」と言い、まさに「アフターケア」としての「文明の道」を考えていたそうです。

-文明の道。

えっと、先ほどの書籍からまた引用すると「車の通れない、舗装なしの道を東京二十三区内に設け、並木を配する。並木の下に水路を通して小川をつくる。鳥のさえずり、小川のせせらぎを耳にし、草木の匂いを鼻で感じることのできる道なら、高齢者が散歩を楽しめ、子供や学生が本を読みながらでも歩け、子供連れの夫人が安心して買い物に行ける」という構想だそうです。

-渋谷川沿いの遊歩道「渋谷リバーストリート」のことみたい!

そう思いましたし、まさに、もっとそうなったら良いですよねえ。

-あ、アフターケアってなんのアフターなんですかね?

いろんな意味が込められていそうですけど、1960年代の日本の高度経済成長期に考えられていたことを踏まえると、いろんな都市開発が進められた「後」ということがまずあると思います。

-作っておしまいにしない。

そう。その意味で言うと、僕らのこの活動は、暗渠だった渋谷川の再生と共にあった再開発事業の延長線上にあるものでもあるので、アフターケア的なものかもしれませんよね。

渋谷川のほとりのビオトープはヤゴも宿します

ビオトープづくりを進めているSpiral Clubによるオープンミーテイング

渋谷川沿いは遊歩道のようになっています

広場には背の高い樹木が根を張っています

野鳥と都市デザイン

野鳥と都市デザインということで言うと、まだまだエピソードがありまして…。例えば、福岡の天神に、「アクロス」という複合施設があるんですが都会の山と言われていて、若い時にどうしても見たくて行ったりしていたんですね。検索すると写真が出てくるんで、是非見てもらいたく…。

-わあ。巨大な階段状の屋上庭園でまさに山に見える。

1995年の竣工時から、今では植物の種類が2倍以上に増えているそうです。

-野鳥や風が種を運んでくれるんですかね。

そうみたいですし、それを受け止められるようになっているということですよね。普通だったら、管理上、新しく生えてきたものは抜かれがちですもんね。自然の変化に上手に委ねているのだと思います。で、そのアクロスから遡ること約30年、東京オリンピックの前年の1963年に大阪堂島浜に完成した新ダイビルには屋上の1/2を占める約3300㎡が、1968年東京駅すぐのところに建てられた八重洲ダイビルの屋上の2/3を占める約860㎡が、それぞれ屋上樹林とされていたんです。

-スゴい。

「人と自然との調和」というものが理念とされていて、それをお飾りじゃなくて、本当に具現化するぞ、という気迫を感じるんですが、ただ、その屋上樹林に野鳥がまったく寄り付かなかったそうなんです。で、助言を請われたのが、日本野鳥の会の会長であった中西悟堂そのひと。

-詩人兼野鳥研究家がアドバイザー。

八重洲ダイビルは建て替えのため現在閉鎖されているんですが、新ダイビルは今も健在です。ダイビルの公式サイトによれば「シジュウカラをはじめメジロ、キジバト、アオスジアゲハが確認され、植食性・雑食性・肉食系などさまざまな食性の昆虫類も確認された。多種多様な生物が生態系ピラミッドに近い状態になりつつある」とのことです。

-なんか希望が湧いてきました。

事例や歴史によって勇気づけられることってありますよね。そんな中西なんですが実際に山林で「探鳥」する以外にも、鳥と共に生活をしていたそうで…。

-「野の鳥は野に」じゃないんですか!

なんか、だからこそ「放し飼い」に対するこだわりがあったそうで、「鳥の習性を徹底的に把握しようと、小鳥屋から鳥を購入し、将来野に戻すことを前提として、鳥の『放し飼い』を始めた。籠に入れて飼うのではない。二十畳の洋室の書斎の隣に金網で囲った禽舎(きんしゃ)を設け、金網に隙間なく蔦を這わせ、猫の侵入を防ぐ。禽舎と書斎の間を自由に行き来させ、慣れた頃に庭に通じる書斎の扉も開けた」ということなんです。自分が鳥だったら、やっぱり放たれておかれたいです。

-「す〜いすい」的ですね。

相互の放たれ合い。ちなみに、鳥の糞を嫌がる来客者には「糞はすぐに乾く。小箒で掃けばよいのですから」と話をしていたらしいです。

-なははははは。

カルガモも訪れる渋谷川、いつかホタルも来て欲しい!

rowan from 岡山

トノフォンショップ「音も出るおもちゃすくい屋」 

MERMAID

子どもたちが熱源

-slow stream当日は雨予報に反して晴れましたけど、とても寒かったですよね。強風だったし。

通りすがりの人でも気軽に参加しやすいという屋外の広場の可能性を最大化したいなと思いつつ、やっぱり、向いている天候とそうじゃないものがありますよね。

-そうですよね。それでも、おしくらまんじゅうとかいろんな遊びが生まれていて、子どもたちは元気一杯に遊んでいて、あったかくて…。

子どもたちが熱源!

-あったか〜いって言って、子どもとハグしている人もいました。

う〜ん、良い話。

-それと、DJの音に合わせて、踊っている子どもたちも楽しそうでしたね。寒かったら踊れば良いのか!って。

なははは。寒いときなりの楽しみ方があるかもしれないですよね。

-スピーカーから流れ出てくる音の、低音に合わせて踊るのと、高音に合わせて踊るので、手分けして遊んでいる子どもたちもいました。

音を聞き分けて身体を動かす遊び!良いなあ。そして、会場の様子を良く見てますねえ。

-見ているっていうか、一緒に遊んでましたから!

今回、渋谷川沿いの、渋谷東しぜんの国こども園 small alleyさんによる参加も叶いましたが、自分たちで遊びを生み出したり、自由に遊び尽くそうとしている子どもたちの様子をみながら「なんか、こういう様子を見ると安心しますねえ」なんて、園長さんたちとしみじみしていました。

-安心。

そういう場の一端を担えているという手応えもありつつ、自分たちの現在地やあるべき姿という目的地を確認した気持ちにもなります。

-子どもたちや、目の前の風景が教えてくれることってたくさんあります。

渋谷東しぜんの国こども園 small alley with 片桐楽弥/辻可愛/中根隆弥「オープンアトリエ」の一コマ

恒例の綱引き。遊びが生まれます

いつも置いてあるけん玉。みんな技に挑戦してくれます

渋谷駅すぐのところでこんなにゆっくり遊べるなんて!

都市に抱かれている

コンセプト文に書いた「泳がせておく、そのままにしておく、自由にしておく。す〜いすいと、心の向くまま、足の向くまま、想うまま。自分を、周りを、見守っている」って、別の言い方をすると「信頼」ということだったんですよ。この社会や都市を信頼できている状態って目指すべきものだよなって。

-信頼。

例えば、2年半前に始めた渋谷川のほとりのビオトープも、自分自身はそのお世話とかできていないんですが、色々と考えてはいて…。周辺にタバコの吸い殻のごみ捨てがあるにはあるので、最初はそれがビオトープにされたらどうしようって。

-生き物ですからね。

ねえ。だから、まずはちょっとしたお試し感覚でやってみたんだけど、大丈夫だった。心配はしていたんですが大丈夫だった。ちょっと身を投げ出す感覚もあったんで、渋谷という都市への信頼がそこで確認ができたのは、大きな一歩でした。

-身を投げ出す感覚。

なんか子どもというか赤ちゃんが抱っこされる時とかって、その身を預けてくれているじゃないですか。そうせざるを得ない存在ということもあるんですけども、むしろ、そこから拓かれる信頼関係ってあるんだろうなって思っています。

-身を託してくれる存在の尊さは、なんとなくわかります。

そうですよね。大きな話になっちゃうんですけど、都市って本当はいろんな人がその身を託してる場所なんですよね。

-都市に抱っこされている!

COMPUMA

Otaco

slow streamの開催中には渋谷川のほとりにハンドベルが設置されます

lazona

海はクジラの歌に浸されている、じゃあ、都市は?

信頼ってことを考えたくって、色々と手がかりにしたく書籍を手にとっているんですね。で、例えば「何も共有していない者たちの共同体」という本を書いているアルフォンソ・リンギスという哲学者が好きで…。

-「何も共有していない者たちの共同体」というタイトル!

スゴいですよね。で、そのリンギスによる、その名もそのものな「信頼」という書籍も出ています。

-スバリ!

なんですけど、冒頭から、ランやペンギンやクジラといった動植物がモチーフとして登場してですね、「水中から空中へ伝わることのない」というクジラの歌が歌われているということは「大半が水からなる身体全体が、水という物質に広がるメロディと響あう」とか言うんですよ。で、次のフレーズとかすごくって、「クジラのいる海に潜ると、われわれ自身が歌に浸されていることに気づく」と…。

-ぎゃー!

って、なりますよね。クジラのいる海に潜るということは、クジラの歌に浸されているということなんだ、という世界の解釈の仕方って、詩的ではあるんですが、同時に、事実、そうだという感じもして…。

-じゃあ、都市に居るということは、何に浸されていると考えることができるんですかね?

どわ。

-あ、前回のテーマは「はな歌交じり」でしたし、slow streamではいろんな音楽や笑い声に溢れているから、歌や笑いに浸されている、と言いたいですよね。

めちゃくちゃ言いたいです。ビオトープを設置するときにタバコの吸い殻の投げ入れがあったらどうしようっていう心配をしていたと言いましたが、それは当然必要なケアだとは思うんですが、別の言い方にすると疑心暗鬼になっていた、ということでもあるんですね。

-疑心暗鬼。

不安な気分とか、どうせダメだろうという気分に覆われて、浸される。と、最初の一歩が踏み出せない。

-悪霊退散ですね!!!

笑う門には福来る!!!

-昔の人は良いこと言ってますよね。

子どもたちが描く絵。空想のいきものと、目の前に広がる都市の風景とが混ざっていきます

子どもたちが遊ぶ、大人も遊ぶ。遊びの連鎖が生まれていきます

City is our Dancefloor books、Books and Places「都市文化再考図書」 

信頼と官能

リンギスは、クジラの話に連なるようにして「信頼は勇気にあふれ、直情的で、欲情に満ちている」と、その章を結んでいるんですね。

-ん?

そう、ん?って、考えさせられて、まあ、でも、ビオトープを渋谷川のほとりに置くことに勇気がいったけど、その一歩があったから、渋谷という都市への信頼が担保されたみたいな話で考えると、わかるな、と。

-直情?欲情?

なんか、まあ、そういう身を預けあい、信頼を育むということは、官能的なことにつながるよねっていう感じだと思います。えっと、この一連の活動では「良い都市とは何か?」という問いを大切にしていますが、「Sensuous City[官能都市]―身体で経験する都市:センシュアス・シティ・ランキング」という調査レポートがあるんですよ(PDFデータが全文オンラインで公開されています)。

-センシュアスであることが、良い都市であること?

そうですね。レポートから引用すると「『センシュアス・シティ=官能的な都市』とは、人間的で豊かなアクティビティが発生する都市のことである」とされていて、そのコンセプトは、「人間の次元」という書籍も書いているヤン・ゲールという建築家であり都市デザインの専門家の影響下にあるとされています。

-人間の次元?

長いのですが、わかりやすいので続いてレポートから引用しますね。「『アクティビティ、空間、建築 ― この順序で』と、都市計画が考えるべき最優先事項にアクティビティを据えるヤン・ゲールは、『人間の次元』を都市デザインの基本単位にすべきだと訴える。人間の次元とは、人間の身体や感覚に則した空間尺度であり、徒歩の移動を前提とし、歩行者の目線の高さを最も重要なスケールとする。このヤン・ゲールの主張の根拠には、『街の最大の魅力は人』という都市に対する理念がある。だから『街は、人びとが歩き、立ち止まり、座り、眺め、聞き、話すのに適した条件を備えていなければならない』、そしてそこへの近接方法として「これらの基本的活動は、人間の感覚器官や運動器官と密接に結びついている」と官能の重要性を強調する」とあります。

-えー、つまり、今の都市が「人の次元」になっていないということですか?そういう、人の感覚的なものが大切にされていないということですか?

んー、まあ、うん。でも、渋谷川のほとりの遊歩道であえる渋谷リバーストリートとかは、まさに、そういうことを大切にしたいという想いでつくられているものだと思います。なので、ビオトープづくりも含めて、そういう挑戦の延長線上にあるものだよなって思っています。

阿久根聡子、わなげボーボー「持ち寄りレコードジュークボックス付きスナック『トシサイコウ』」

通りすがりの人と綱引き合戦

カントリー田村

「スナック『トシサイコウ』」の三角形のカウンターは、わなげボーボーによるもの

賭け的な、未来と信頼の拓かれ方

ビオトープを設置するときに、タバコの吸い殻の投げ入れが心配でドキドキしていた、という話を繰り返しちゃうんですけど、「それでもやる!」ってみんなで踏み出してみたことをふりかえると、それって一つの「賭け」のようなものだったなとも思うんです。

-賭け。

はい、そうでもしないと拓かれない未来があるような気がしていて。そして、ビオトープづくりやその管理は、spiral clubという環境課題にアプローチするオープンコミュニティのメンバー。ビオトープづくりは全員初挑戦でした。でも、良いも悪いもありつつ、みんなで試行錯誤していくことそのものが大事だよなって。

-2年半続いていますよね。

はい。今では、あそこにあることが当たり前になりつつあります。

-あたりまえなものにも始まりはあって、そこに、勇気と信頼の一歩がある。

そう。東急のみなさんも、ビオトープのヤゴとかに名前をつけて呼んでいたり、生命を扱うことだからちゃんとやりたいという言葉を掛けてくれたり、夏の暑い日は差水をしてくれたりと、なんかみんなでお世話をしていけるものが都市にあるって良いなとは思っていました。全方位に感謝が募ります。なんか、結局、煎じ詰めると、どんな仕事も生命を扱っていることなんだなって思えてきて。

-どの仕事も生命を扱う。

そう。だし、それはsomdarrppaくんのデザインでも感じていて…。このプロジェクトでいろんなキャラクターを生み、それこそ「す〜いすい」しているアニメーションを今回に限らず、ずっとつくってくれている。あのキャラクターも、一つの生命に見えてきているんですよね。

-生命が大切にされているプロジェクトでありたいなって思います。

ですよね。で、彼、大学卒業ほやほやでこの仕事を引き受けてくれていますからね。こっちも賭けですが、向こうも賭けてくれた、という。そういう未来の拓かれ方について、バタイユという哲学者が「ニーチェについて 好運への意志」という書籍でこう言っていました。「人は、通常、先入観に、過去の一形態でしかいない先入観に信頼を寄せるが、《賭け》は、未来のみに、その自由な到来に信頼を寄せて、可能なるものの奥深くへ入ってゆくことができたということである」って。

-先入観への信頼か、未来の到来への信頼か、かあ。

未来の到来に信頼を寄せたいですよね。それって、予想じゃなくて希望なんですよ。

-どうなるかな?じゃなくて、どうありたいかな?っていうこと。

ですです。

堂馬(荒井優作 & mado)

のこぎりバンド(西村直晃、辻村友晴〔キセル〕、トクマルシューゴ)

渋谷ストリームが楽譜に

NOOLIO

信頼を贈り合う

岩井克人という経済学者が「二十一世紀の資本主義論」という書籍で、信任と契約の違いを説明をしていて、もう読んだのは四半世紀前ですけど、そのことをずっと考え続けているところがあります。

-信任と契約。

「たとえば無意識の状態で運ばれてきた患者を手術する医者を考えてみよう。この患者は自ら契約を結ぶことができない。だがそれにもかかわらず、医者は医者であることによって、患者のために手術を行う権限を持っている。ここでは、医者は、患者の命をまさに信頼によって任されている」って。

-信頼せざるを得ない。身を任せざるを得ない。

そう。で、ここからがずっと考えさせられていることで、「信任関係に依存しなければならない人間は、それが乱用されたとき、まったくの無抵抗な存在になってしまう」と言うんです。「職業倫理の存在は信任関係を成立させるうえで大きな役割を果たしている。ただ、不幸にも、倫理観とは希少な資源であり、万人が共有しているわけではない」と、スゴい冷静な論考が続くんです。

-ガーン!

まさにガーンってなって、でも、同時に、そこまで考え抜かないといけないんだなとも思って…。

-どうしたら良いんですかね?

ねえ。岩井は、であるからこそ、法というものの重要性を説いていくんですね。気になる方は原著にあたってもらえればと思うですが、いわゆる公民の授業で習う「人の支配、法の支配」のような話で、感情の揺れ動きのある人という存在が全てを支配すると、良いときは良いけどヤバいときはヤバいから、そうじゃないものとして法や仕組みというものがあるという。

-なるほど。

法というものは言葉として現れるので、だから言葉を大切に扱っていくということだよなと考えつつ、同時に、その「希少な資源」とされていた倫理観のようなものを耕していくみたいなことだって当然大事だよなとも思って。

-資源を守り、育む。

一緒に座れる揺れる椅子

slow streamはフードやドリンクも充実(Adwee Lalawee 2、M•H kitchen、ごはんの木、Arthurめし)

GAKU「歓待としてのキュレーション成果冊子配布」

道行く人が足を停めてくれます

湧き続けるために

なんか、感情と川って似てるなって思っていて…。

-え?

どっちも湧いたり、枯れたりするじゃないですか。湧きすぎると氾濫して洪水になるけど、枯れたら枯れたらで問題という。

-ああ。感情も川も資源。

そう。で、これは比喩ですけど、氾濫しないように埋め立てたら湧かなくなっちゃったみたいなことっていっぱいあって…。だから、信頼を贈り合って、湧き合って、良い風潮を生み出す源流でありたいんです、このプロジェクト。

-わ!

それで、みんなで「す〜いすい」ってしていたんです。

みんながそれぞれ好きに過ごしてくれると嬉しい

新世代アナログゲーム店 わなげボーボー

SNZ (sonotanotanpenz)

ぽんぽこやま。今回の出演は、plasticmai、VIDEOTAPEMUSIC、チャーハン、KUKNACKE、カントリー田村、テンテンコ

テンテンコ

seaketa

City is our Dancefloor books、Books and Places「都市文化再考図書」

階段にはsomedarappaによるアニメーションが流れます

スタートにあわえて、お客さんも一緒に集合写真

執筆

熊井晃史

写真

立山大貴

校正

丹野暁江、吉田七海統

キャプション

菊池香帆

related